これから犬を飼う方も、すでに犬を飼っている方も。

犬について、皆様はどれくらいの知識があるでしょうか。
犬を飼う事への知識もそうですが、そもそも犬の事についての知識、

例えば、犬から見た世界や、人の顔はどの様に見えているのか。
例えば、犬の耳には ”音” はどういう風に聴こえているのか。
例えば、犬の鼻はどういう臭いに敏感なのでしょうか。

そんな基本的な事だけど、意識すらしていなかったかも知れない、”犬の知識” について情報を集めました。

犬の年齢について

犬の年齢についてですが、犬種によって成長スピードに違いがありますが、大体で人間に換算すると、1歳になるまでに12歳〜17歳にまで成長します。
また2歳になる頃にはどの犬種でも20歳前後となり、立派な成犬になります。成犬になった後は中〜小型犬は、一年間で4歳程年をとり、大型犬は一年間で6歳〜7歳の歳をとる事になります。

犬の平均寿命について

一般社団法人 ペットフード協会が発表している、犬の平均寿命ですが、犬全体の平均寿命は14.36歳
超小型犬、小型犬の寿命が長く、大型犬の方が平均的に寿命は短いとの事です。

ギネス認定!! 犬の世界最高齢犬達

ギネスが認定したとされる最高齢犬のデータです。
こちらの順位の中には寿命が短いとされる大型犬も何頭もランクインしています。
長生きの秘訣は犬種ではない "何か" があるのでしょう。

※引用元 wikipedia(英)

順位 年齢 名前 犬種
1位 29年193日 Bella ラブラドル イギリス
2位 29年160日 Bluey オーストラリアン・キャトル・ドッグ オーストラリア
3位 28年320日 Max テリア アメリカ
4位 28年218日 Lady プードル アメリカ
5位 27年211日 Bramble ボーダー・コリー イギリス
6位 27年160日 Minius 雑種 ポーランド
7位 27年098日 Adjutant ラブラドル イギリス
8位 27年001日 Butch ピーグル アメリカ
9位 26年248日 Pusuke 雑種 日本
10位 26年158日 Smokey シー・ズー アメリカ

犬の嗅覚について

犬の嗅覚は人間に比べて、1000倍から1億倍優れていると言われています。
これは1000倍〜1億倍臭いをきつく感じるという事ではなく、嗅ぎ分けられるという事です。1000倍〜1億倍という幅があるのは、嗅ぎ分ける臭いにも得意分野と不得意分野があります。
特に得意な臭いは "酸臭" 。 よく警察犬などが、犯人を臭いで追っていくシーンがありますよね。
これは汗に含まれる"酸臭"を嗅ぎ分けて足取りを追っていると言われます。
また一般的には鼻の長い犬ほど、臭いに敏感だという事が、各所で発表されています。
鼻の内側に臭いを判別する組織がある為、長ければ長いほど臭いに敏感かつ、脳の位置関係で、鼻の長い犬は短い犬に比べ、臭いを判別する部分がしっかり機能しているという見解がある様です。

犬の嗅覚について、もっと詳しく

犬の聴覚について

犬の聴覚ですが、人間の約4倍〜10倍と言われています。

一緒に住んでいると、家族の誰かが帰ってくるのを一番先に察知するのは犬です。
諸説ありますが、足音や車のエンジン音などで瞬時に聞き分けがつく様です。例えば同車種の音でも、いつもと違う(ご家族以外の)車だと反応しなかったりします。そこまで繊細に聞き取れるのですね。

人間の可聴域が20〜20,000ヘルツであるのに対し、犬は40〜65,000ヘルツと言われています。下限=低音はそれほど違いはありませんが、上限=高音は大きく違いますね。
また犬が一番よく反応する音が30,000ヘルツと言われています。犬笛などはこの周波数に合わせて作成されています。

消防車やパトカーなどのサイレン音に反応して、遠吠えの様に吠える事があります。これはサイレン音の周波数が遠吠えの鳴き声と近いので本能的に他の犬の呼びかけに対して答えようとしているようです。

また散歩中などに、ある一定方向を急に向いたり、じーっと見つめたりもします。
これらは人間には聞こえていない音が聞こえてそちらを見ていたり、振り向いたりするのではないかと言われています。

犬の視力

一般的な犬の視力は人間で換算すると0.3未満と言われています。
0.3というと、2〜3m先の物が、かなりぼやけて見えます。また遠視気味でもあるので、70cm以内の物もぼやけて見えます。犬にとって"視力"というのはあまり重要ではないようです。

というのも犬は嗅覚や聴覚、動体視力など複合して物事を捉えていますので、視力のみに焦点を当てた場合、それほど重要ではないのです。優れた動体視力と広い視野を持っている為、遠くであろうと動く物を捉える能力は非常に高いです。

人間とは全く違う視点で世界を"視て"るのですね。
※犬種によって視力は大きく違います。

犬の視力について、もっと詳しく

犬の歯について

犬も人間と同じで、乳歯、永久歯があります。
子犬の場合、突然犬の歯が抜けても大丈夫。成長した証です。
永久歯は人間よりもかなり多く、全部で42本もあるそうです。※犬種によって増減します。
乳歯から永久歯に生え変わる時期ですが、おおよそ生後3ヶ月〜7ヶ月で生え変わると言われています。この生え変わり時に気をつけたいのが "乳歯後遺症" 。これは乳歯が抜けるのが遅くて、永久歯が本来の場所ではなく別の場所に生えてしまうという一つの病気です。この事により他の歯にも悪影響を与えてしまい、さらに口内を自分の歯で傷つけてしまう状況に陥ってしまったりします。生後7ヶ月前後までに動物病院に行く際には、見ておいて貰って損はありませんので、獣医さんに確認してもらいましょう。

また乳歯は犬が飲み込んでしまっても大丈夫と言われています。生え変わるタイミングでは、おもちゃに血がついていたり、口の周りに多少の血がついている事もありますが、原因が歯の生え変わりであれば特に問題はありません。生え変わりのタイミングではエサと一緒に乳歯を飲み込んでしまう事は多いようです。

また生え変わりのタイミングでのエサですが、通常時と同様、ドライフードを与えて問題ないようです。柔らかいエサの方が良いのではないかと思いがちですが、柔らかいエサはアゴの発達を妨げる為、ドライフードの方が良いと言われています。

成犬から気をつけたいのは、歯周病です。犬は歯石が非常に付きやすく、約3日〜5日で歯石ができてしまうと言われています。これまで "犬は虫歯にならない" と言われていましたが、最近の研究では "虫歯になりにくい口腔環境を持っている" と改められました。要は虫歯になりにくいだけで、なるよ!って事ですね。
老犬の歯が抜け落ちてしまう事は少なからずある事です。歯が抜けてしまい、硬いエサが食べられない事で出てきてしまう病気もあるので、小さな頃から歯磨きをしてあげて、口を開かせる事に慣れさせてあげてください。

犬の賢さや記憶力

哺乳類の中でも犬は頭が良い方で、訓練やしつけによって非常に能力を発揮する動物です。具体的にはどのような事が得意なのでしょうか。犬が有していると思われる様々な能力をご紹介し、それらを踏まえ、しつけをする際には、どのように生かして行けば良いのかを、考えていきたいと思います。

犬の短期記憶能力

犬の短期記憶能力とは、犬が一時的に記憶を保持する能力です。
犬を褒める時も、犬を叱る時も、すぐにしないと効果がないというのは聞いた事はありますでしょうか?
というのも、犬は2~3秒くらい前のことなら正確に思い出せるのですが、それ以上になり、他の事に気を取られた場合、ほとんど忘れてしまいます。

ある研究者たちが、”視覚移動”(しかくいどう)と呼ばれる方法で実験をし、調査結果を発表したのですが、箱を複数個用意し、犬に見える様に1つの箱の中に ”おもちゃ” を隠します。その後犬と箱をついたてで仕切り、一度隠します。ついたてを取り払ったとき、犬がおもちゃの隠された箱に直行するかどうかです。

もちろん、個体差もありますが、別の箱を開けてしまったり、全ての箱を開けていくようなら、犬はおもちゃの位置を記憶していないということになります。

この研究チームの発表では、ついたてで仕切る時間が2~3秒程度であれば、ほとんどの犬がおもちゃが入っている箱に直行できたそうです。しかし仕切る時間が30秒を超えると、正解率が徐々に低下することがわかりました。このことから、犬が”確実”に思い出せるのは、2~3秒前の出来事であり、30秒を超えると、ほとんど解っていないという結論でした。

よくテレビでも同じような事を、おやつを使ってやっていますよね。
おやつの場合、匂いで判別できるはずですが、違う箱に一直線に向かったり、全ての箱を開けるシーンはよく見ますよね。

ここからも直前であろうが短期的な記憶は苦手と判断できます。

また2015年には、犬の短期記憶能力は平均で71秒前後であると発表がありましたが、まだまだ研究の余地があるでしょう。

犬の回想能力

犬の回想能力とは、過去の出来事と現在の出来事を結びつける(思い出す)能力の事です。

これまでは犬に回想能力は少ないと考えられてきました。
これは様々な記事でも紹介されています。

ですが、最新の研究では、これまで言われている以上に犬の回想能力は高いと言われています。

米科学誌 カレント・バイオロジーが発表した記事では、この種の回想能力は”エピソード記憶”と言われ、これまでは人を含む霊長類にはあるが、犬にはないと言われてきました。この記事で犬にもあると正式に発表されたのは初めてだそうです。

ただし、これらも覚えている時間は最大でも24時間程度で、それ以降は、時間が経つに連れどんどん忘れて行く、とも記載がありました。

この発表も含めて犬の回想能力が無いという発表や、少ないという発表には "はて?" と思う飼い主さんも多いようです。

というのも、犬は明らかに以前の事を覚えているであろう反応を見せる事が多々あり、記憶力が悪いという実感があまり無いからです。

Current Biology